先日までSES(派遣のような形)で約1年間、お客様先の企業に常駐する形でWebデザイナーをしていました。
ポジションとしてはECサイトを運営する会社のインハウスデザイナー。
社員の方と同じ業務を担当させてもらい様々な経験をさせてもらったので、個人的な感想を忘備録として残しておきたいと思います。
※あくまで私個人の感想である点や、私が携わった会社はこんな感じだったという記録なので、参考程度にご覧ください。
インハウスデザイナーの業務内容
私が担当していたのはECサイト内に掲載するバナー作成や、キャンペーンLPのデザイン・コーディング、会員様に郵送する案内パンフレットのデザインと入稿作業でした。
稀にSNSに掲載するバナーなども担当していました。
どんなデザインを作っていたのか
私が常駐していた会社では、ECサイト内に掲載するデザインのレギュレーションがかなり細かく決まっていました。
(フォントは指定のものを使用、商品の画像を載せる際は指定のシャドウをつける等)
そのためゼロから新しいデザインを作っていくというよりは、ある程度型が決まっている中で色を変えたり、レイアウトを変えてバナーを作っていくような感じでした。
定期的に作っていたキャンペーンLPも毎回ベースのデザインはほぼ同じで、バナーのデザインができたら画像を差し替える程度。
型が決まっているためコーディングも過去のLPを流用し、必要があれば少しcssを書き換えて公開するような形でした。
パンフレットのデザインも同様にほぼ型が決まっていて、テキストや写真の差し替えを行う感じでした。
業務の流れや納期など
LPの企画などを考える部署の方から制作依頼が来て、納期までに制作を進める流れでした。
大きめのキャンペーンの場合、ディレクターとなる社員さんが企画部との間に入ってくれ、スケジュールの調整などを行なってくれました。
小さい案件の場合、祝日が多い週などは企画部に相談をすれば納期を柔軟に調整してもらうこともできたので、案件が重なって残業になることは一切なかったです。
インハウスデザイナーのメリット
約1年間働いてみて、個人的に感じたインハウスデザイナーのメリットをまとめます。
・残業がほぼ無い
・基本的には社内の制作物なので、納期に追われることがない
・慣れてくると「このLPを作るにはだいたいこのくらい時間がかかる」と工数の見積もりがしやすく、スケジュール管理が容易
・スケジュールの見通しが立ちやすいので、有給も取りやすい
・デザインの型が決まっているので大きな手戻りがほぼ無い。故に何案も作って結局無駄になるということがない
・万が一自分が途中で対応できなくなってしまった場合でも、作るものの型はほぼ決まっているので同じ部署の方に引き継ぎをしやすい
・残業がなく、自分がデザインを担当したら自分しか進められないという状況は発生しないため、特に子育て等の事情で家庭と両立する場合は非常に働きやすい
あくまで私が所属していた会社・チームでのメリットと感じた点ですが、デザイナー=残業ばかりでハードワークというイメージとはかけ離れた、非常に働きやすい環境でした。
インハウスデザイナーのデメリット
ここからは個人的に感じたデメリットです。
・デザインをゼロから作る機会がほぼ無いため、仕事を通した技術力の向上は難しい
・社内でデザインに対してのフィードバックも貰えたが、ベースはあくまでレギュレーションに沿っているかどうか・ECサイト内のトンマナに合っているかどうかという点で判断されるため、その会社内で評価されるデザインを作るプロにはなれるものの、社外に出たときに通用するデザイナーになれるかと言われると微妙なところ
・デザインを評価する人数が多いほど無難なデザインに終着しがち
プライベートの時間で自主的にスキルアップの時間を設けないと、3年後5年後、制作会社でどんどん新しいデザインを生み出すデザイナーと比べたとき、その差は大きく開いてしまうと感じました。
例えばアートディレクター的なポジションになるなど、デザイン+上流工程の仕事を任せてもらえるようになればステップアップできそうでしたが、ただひたすらレギュレーションに沿ってバナーやLPを作っていくポジションにいた場合、デザイナーとして成長できるかどうかは自分次第だと感じました。
まとめ
扱っている商材が主に女性向けだったこともあり、とても楽しく働けた1年間でした。
また、特に女性の場合はライフステージの変化があっても長く働くことができそうな環境で、無理なくデザイナーを続けていきたい方にはインハウスデザイナーという選択肢はぜひおすすめしたいと感じます。
一方、デザイナーとしてクリエイティブを突き詰めたい、毎回違うデザインを作る方が楽しいと感じる方にとっては、あくまでその会社の規模やフェーズによりけりですが、インハウスデザイナーのポジションは物足りなさを感じるかもしれません。
これからデザイナーとして就職や転職を考えている方に、この記事が参考になれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。